目標CPAの設定は余裕を持たせて
リスティング広告を運用していると、コンバージョン関連の指標の一つに「1件あたりの獲得コスト(CPA)」が出てきますよね。
これは文字通り、1件のコンバージョンを獲得するためにかかった広告費(費用)の事になり、一般的には低ければ低いほどよいとされています。
この1件あたりの獲得コストですが、効果測定の際の広告の良し悪しの判断基準の一つになるのはもちろんですが、リスティング広告を運用する際の基準といいますか、運用方針を決める指標にもなったりするので、意外と重要な数値でもあります。
例えば不動産のような商品単価の高いものであれば、そこまで神経質に気にする事もないのかもしれませんが、ECサイトなど1顧客あたりの単価が低い商材やサービスを販売しているならば、リスティング広告をやる事で場合によっては赤字になってしまうという事も十分考えられます。
1顧客あたり、3000円しか利益が出ないのに1コンバージョンあたり5000円もかかってしまったら、やるだけ赤字ですよね。
なので、そのような単価の低い商材やサービスを扱っている場合には、リスティング広告を始める段階で、1件あたりの獲得コストから計算し、設定をしていかなければいけません。
クリック単価の上限は広告主側で決める事が出来るため、コンバージョン率がわかれば1件あたりの獲得コストはある程度コントロール出来ますよね。
もちろんリスティング広告を始める前の段階であれば、コンバージョン率がどれくらいなのかわからないという方もいらっしゃると思いますが、1%とかある程度目星を付けて計算はする事が出来ますので、まずはその数値から始めてみると良いと思います。
さらに、1顧客あたりの単価が低い場合、”単価を上げる事が出来ないか”考える事も重要です。
リピート率を上げたり、単品ではなく複数の商品を買ってもらうようにしたりなどする事で、1顧客あたりの単価を上げる事が出来れば、その分利益も増えて、広告の1件あたりの獲得コストも増やすことが出来るかもしれません。
目標CPA(1件あたりの獲得コスト)を増やす事が出来れば、その分、リスティング広告の方でもより柔軟に設定する事が出来ますので、失敗の確率を減らす&より多くのコンバージョン獲得の可能性を高めることにもなります。
1件あたりの獲得コストは成果を計測するための指標だけではなく、リスティング広告の設定をする上で、アカウントを組み立てていく上でも非常に重要な指標ですので、慎重に設定していったほうがいいと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智