コンバージョンの数よりも質にこだわる運用を
リスティング広告は運用の結果や成果が数値として残りますよね。
一般的に、お問い合わせ完了やお申し込み完了、購入完了等のゴールページに設定する”コンバージョン”機能で、コンバージョン数やコンバージョン率、1件あたりの獲得コストを計測し、その数値が良くなったら「広告は成功した!」とか、逆に悪くなったら「広告が失敗した……」なんて判断をしている方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。
また、何かしら改善施策をおこなった結果、先月よりも数が増えた/減ったと、比較してリスティング広告の効果を検証している方も多いと思います。
仮説が正しかったのか、間違っていたのかを判断するための簡単な方法として、その「数」を比較したり、「率」や1件あたりのコストを比較する事も多いと思いますが、ここにこだり過ぎてしまうとうまくいかなくなってしまう事もあります。
例えば、お問い合わせ→商談→成約、というビジネスでリスティング広告を運用していた場合、お問い合わせの部分にリスティング広告のコンバージョンを設定するのだと思いますが、この「お問い合わせ」の数が増えれば、それに合わせて成約数が伸びるとは限りません。
お問い合わせの中には、競合他社と比較検討し、何社か面談して決める、という方もいらっしゃいますし、お問い合わせの内容によっては冷やかしのようなお問い合わせもあるかもしれません。
ただ単純にお問い合わせの数だけを増やそうと施策をしていき、コンバージョン数だけ増やせたとしても、それが売り上げ増になるとは言い切れませんよね。
ECサイトのようにウェブ上で売り上げが立つというようなビジネスであったとしても、1件あたりの購入金額というのは変わってくることも多いと思います。
単価の高い商品だったり複数の商品をいっぺんに購入してもらえるならいいですが、単価の安い商品が単発でばかり売れて、それでもコンバージョン数が増えたからいいんだ、なんて話にはなりませんよね。
なので、あまりコンバージョンの「数」ばかり意識せずに、そのコンバージョンの「質」を重視した施策をしていくべきだと思います。
この「質」というのは現場でお客様と接していないとわからないこともありますので、現場の営業担当者だったり販売員などと普段からコミュニケーションをとっておき、日々、そういったお客様の「質」の部分を共有できる環境を作っていく事も大切です。
コンバージョンの計測は、”成果を計測するため”と思っている方も多いですが、実際には改善のための指標の一つに過ぎません。
なので、あまりコンバージョンの数に固執するのではなく、「ビジネスを成長させるため、売り上げを上げていくためにコンバージョン数をどう伸ばしていくべきか?」を常に考えておく必要があるのだと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智