失敗を恐れずに失敗から学ぶつもりで
リスティング広告に関してですが、最近、やればやるほど奥が深いな~と感じる半面、まだ私がリスティング広告の運用をはじめた10数年前頃は、正直あまり考えなくても成果が上がっていたな~なんて思う事があります。
ここ数年でリスティング広告は劇的だと思うほどの機能変更があったため、数年前やそれ以前と今とでは単純に比較する事は出来ません。
またリスティング広告を活用する企業は年々増えているため、競合他社が増えた事による難しさというものもあるのかもしれませんね。
ただ、こういった要因だけではなく考え過ぎて自分自身で難しくしてしまっているという事も理由の一つとしてあるのかもしれません。
先程も書いたように、リスティング広告はターゲティングに関する機能が以前に比べてものすごく強化されていますし、ガイドラインの変更なども毎年のようにありました。
それこそ1年間管理画面を触らなかったら、ちょっとわからなくなるのではないかと思うくらいたくさんの新しい機能がありますし、「CPAは大事だ」、「この業種はCPCが高い」といった情報も目にするので、リスティング広告をはじめる前から難しく考えすぎてしまって失敗するケースもあるのではないかと思います。
例えばリスティング広告をはじめるにあたり、「目標1件あたりの獲得コストを死守したい」と考え、クリック単価もかなり低く設定し、キーワードもビッグワードは避けて、スモールワード中心に入札をする、とか。
するとどうなるか?
スモールワード中心のため、そもそも広告の表示回数が極端に少なく、またその少ない中で入札価格も抑えているため、掲載順位も下位に……、結果としてクリックがあまりされないアカウントになってしまいます。
もちろん1件あたりの獲得コストを低くする事は非常に大切な事だと思いますが、それを目指すあまりクリックされず、コンバージョンも発生せず、では本当に意味がありません。
クリック単価にしても同じことが言えますよね。あまりクリック単価の高いキーワードは入札出来ないから、スモールワードだけを入札し、表示回数が少なく、クリック数もごく少数になってしまうとか。
この例で言えば、1件あたりの獲得コストは、データがで出揃った上で、どこに集中していくのか、どこを切り捨てていくのかという事を繰り返していけば必ず下げていく事が出来ますし、クリック単価にしてもビッグワードを有効活用する手段はいくつもあります。
そもそも、コンバージョンが獲得できないことには改善の施策や考えが進みにくくなりますし、間違った判断をする確率も上がります。
費用対効果が最初から良くならない事を恐れるあまり、その後の安定した集客が出来たかも知れない可能性を捨ててしまうのはとてももったいないことだとですよね。
だからと言って、初期設定で手を抜けとか、何も考えずにはじめろと言っているわけではありません。
きちんとした初期設定は、開始した段階から成果を上げるためには必要な事ですし、その後の改善作業をしやすくなります。それは考え方の部分でも同じ事が言えます。
ただ、考え過ぎてしまうと、先程の例のように消極的な、後ろ向きな運用になってしまいかねません。
リスティング広告に限らず、他の広告媒体であっても、他のマーケティング活動であっても、失敗はつきものです。
ビクビクし過ぎて何も動かないよりも、失敗から学び、前に進む事のほうがよっぽど価値のある事だと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智