クリック単価が低ければ良いというのは間違い
リスティング広告を運用している方の中にはクリック単価が高いという事を悩んでいる方が結構いらっしゃいます。
リスティング広告の認知も高まり競合する広告主の数が増えたからなのか、クリック単価が急騰しているという業種もあり「クリック単価が高いから下げる方法はないか」というご相談を受ける事もあります。
クリック単価を下げる方法自体はいくつかありますが、一番簡単で確実にそして素早く下げる方法は「キーワードの入札価格を下げる」という方法ですよね。
1クリックあたりに支払う上限クリック単価を下げるという事です。
そのようにすれば、ひとまずはクリック単価を下げることが出来ますが、その前にもう一度「なぜクリック単価を下げたいのか」という点を考えていただきたいと思います。
「クリック単価なんか安いに越したことないだろう」とか「数年前と比べてクリック単価が5倍になったから」とかいう理由でクリック単価を下げたいというのであれば、安易にクリック単価を抑えることはやめた方がいいと思います。
一般的に入札価格を下げると広告の掲載される順位が下がるためクリック数やコンバージョン率が下がる恐れがあります。
クリック数が下がればそれに合わせてコンバージョン数も減りますし、コンバージョン率が下がればそれもコンバージョン数の減少に直結します。
その結果、今までの獲得していたコンバージョン数が維持できない、とか、1件あたりの獲得コストが上がってしまった、というような事態にもなりかねません。
ただ単にクリック単価を下げたいと思い、入札価格を下げたことで広告のパフォーマンスが落ち込んでしまうという事はよくある話です。
クリック単価を下げたいという事しか考えてなかったために、リスティング広告のパフォーマンスも下げてしまい、結果として目標数に到達できなくなったとしたら、それって何のための改善だったのかわからなくなります。
広告費はあまりかけたくないという気持ちは広告主としては本音だと思いますが、それはちゃんと集客が出来ていることが前提での話です。
ちゃんと集客が出来なくてもいいから広告費を抑えたいというのであれば、出稿をやめればいいだけの話ですからね。
基本的には、1件あたりの獲得コストが見合っているのであれば、クリック単価は無理に下げる必要もないと思います。
それよりも、コンバージョン数の最大化を目指していったほうが、より発展性があると思いますし、収益増も見込めます。
もし「1件あたりの獲得コストを下げたいからクリック単価を下げる」という事であれば、もしクリック単価を下げたことで1件あたりの獲得コストがさらに高くなってしまったとしても、原因がはっきりしているので、元に戻すのは簡単ですよね。
極端な話でもなんでもなく、クリック単価数千円というキーワードはありますし、数千円払ってでも出稿し続けている広告主がいる事も事実です。
クリック単価は低いに越したことはありませんが、ただクリック単価にばかり目を向けるのではなく、リスティング広告全体の成果はどうなのかと、俯瞰して効果を見ていく事のほうが、ビジネスを伸ばしていくという意味では重要なのだと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智