欲しがっていないものは買わない
リスティング広告は自分の設定次第でターゲットの幅を広げていく事や狭めていく事が出来ます。
キーワードを追加/削除する事でターゲットの幅を変えていけるのはもちろんですが、例えば地域配信設定で日本全国と東京都だけの広告配信では、その母数が変わるため自社の広告を目にするユーザーの数も当然変わります。
全く関係の無いユーザーにまで広告を表示させる必要はないのですが、数多くのコンバージョンを獲得しようと考えた場合、出来る限り母数を増やそうと考えるのはごく自然なことです。
ですが、ここで忘れてはいけないのが「欲しがっていない人に商品を売ることが出来ない」という事。
例えばリスティング広告を始めようと思いキーワードの選定をしていたとします。
まず先に自社で扱っている商品やサービスに近い、パッと考えただけでも「このキーワードで検索をするユーザーはドンピシャのターゲットだ」という集客のメインとなるキーワードが浮かんでくると思います。
ですがそういったドンピシャのキーワードだけでは広告の表示回数やクリック数が思うように伸びない事もありますよね。
手っ取り早く広告の表示回数を伸ばそうとしたらキーワードを追加する事も選択肢の一つですので、他に何かいいキーワードが無いものか?と考えていきます。
ドンピシャのメインキーワードから発想を広げていく事もありますし、今現在お付き合いいただいているお客様の事を考えながらキーワードを出していったりする事や、扱っている商品やサービスの用途、シチュエーションを考えながらキーワードを出していく事もあると思います。
このように新しい切り口を見つけ広告の表示回数を増やしていくという事は、そこからコンバージョンに繋がっていけば新たな収益の柱となる可能性もありますので非常に大切なことなのですが、広げ過ぎるあまり購買意欲の限りなく低い層にまで広げていってしまうのは大変危険です。
あくまでも買ってくれそうな人をターゲットとして中心に考えていく事を基本としておかなければいけません。
よくある例として、それで成功している方も中にはいらっしゃるのかもしれませんが競合他社のブランド名など明らかに自社の商品を探しているのではないキーワードで入札をするという方もいらっしゃいますが、パフォーマンスがあまり良くない事が多いです。
自社の商品を欲しいと思っていないユーザー、他のものが欲しいと思っているユーザーに対して、自社の商品を売ろうというのは出来ないことではないのですが難易度は自然と高くなります。
そこに労力や広告費をつぎ込むのであれば、もっと他の部分を強化していったほうがよっぽど効率的だと思います。
成果の上がっていないアカウントであれば「今のままではダメだ、新しい事をしなければ」と思う気持ちが強くなり、つい自社の商品やサービスを欲しがっていない人にまでリーチしてしまい、さらに悪化していく……、という状態に陥ってしまっている方もいるのではないかと思います。
そんな状況になってしまっているならば、もちろんそのままではダメなままなので何かしなければいけないというのは正しい考え方ではありますが、自分が欲しいものがあり検索して探している時、目的のものではないものが出てきたとしても買わないのと同じように、一般のユーザーも「欲しがっていないものは買わない」という事は忘れてはいけない事だと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智