まずは比較検討の中に入ることから
リスティング広告はキーワードに合わせて、検索結果の画面に競合他社の広告と一緒に掲載されるため、比較検討されやすい広告媒体です。
そのため独自性の高いコンテンツを用意したり、ターゲットにとって魅力的だと思われるコンテンツを用意したり、中にはそのサービスの内容自体を変えたりと、比較検討されたあと、競合他社に勝つために色々と工夫をしていきます。
広告文を作る際にも他社がどのような文言の広告を出しているのか、ターゲットが望んでいるのはどういうものなのかなど考えながら試行錯誤していると思います。
確かにそういった方法は間違いではなく、自社のサービスや商品が選ばれるようにしていかなければいけないのですが、そもそもターゲットユーザーにとっての「比較」の対象の中に入らなければ検討もされませんし、検討されなければコンバージョンにも至りません。
つまりクリックされなければ意味が無いという事です。
このユーザーにとっての比較対象に入るためにはある程度の掲載順位と、広告文での伝え方を考える必要があります。
あまり掲載順位を気にしないという方もいらっしゃいますが、1ページ目に出ていない広告はあまりクリックもされませんし、コンバージョン率も比較的低い事が多いです。
「サービスの中身では絶対に負けないんだ!」と思っていても、そのサービス自体知らなければ、ユーザーは購入してくれませんし、「掲載順位が下の方まで見てくれるユーザーは本気度が高いから成約率が高いんだ」という方もいらっしゃいますが、本気度の高いターゲットユーザーが全員下位の広告まで見るかといったらそんなことはなく、そこまで見ているターゲットユーザーはほんの一握りであって、成約率うんぬん以上の機会損失を生み出している事を認識したほうが良いと思います。
また掲載順位が低いと、そこに至るまでの、ターゲットユーザーにとっての「比較」の数が多くなるため、確率的には成約率は下がりますよね。(もちろんコンバージョンはそれだけで決まりませんので、一概には言えませんが)
なので、掲載順位はクリック単価の許容範囲内であれば、出来る限り高めにしておいた方が良いと思います。
この掲載順位のほかに、広告文でも表現していかなくてはいけません。
ターゲットユーザーがスルーしてしまうような広告文であったなら、それも同じく「比較」の中に入りませんので、きちんと設定していかなくてはいけません。
競合他社と比較されるから広告文を……と、キャッチー過ぎる広告文を作ろうと思って、使える文字数もかなり限られてしまい、本来伝えなければいけない事を伝えきれなかった……、という事も実際にあります。中には、結局意味不明な広告文になってしまうケースもあります。
広告文はまずはじめに競合他社の比較検討される部分なので、目を引くような広告文を作ることは大切ですが、目的はターゲットにクリックしてもらう事です。
意味の通じない広告文だったとしたら、ターゲットユーザーをきちんと誘導できないばかりか、無駄なクリックを増やしてしまう事にもなりかねませんので、注意が必要ですよね。
そもそもの話、「クリックされないなら広告費もかかってないし、別にいいじゃないか」というように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、リスティング広告を出す目標や目的はお金がかかる/かからないという事ではありませんので、目標に向けて、まずは「比較」の中に入ることを意識していきましょう。
株式会社アイエムシー 大塚雅智