アカウントの状況に合わせた施策を考える
リスティング広告は広告を出稿するときももちろん大事ですが、どちらかというと、出稿した後、”どのように改善をしていくか?”という点が非常に重要ですよね。
「運用型広告」と言われるように、リスティング広告は運用してなんぼ、ですので、出したらそれで終わり、というのでは非常にもったいないことだと思います。
なので、リスティング広告を運用する担当者としては、あまりよくない結果が出たあとにどのように挽回していくか、どのように成功に導いていけるのか、というところが腕の見せ所になるわけですが、コンバージョンの取れないキーワードを取れるキーワードにしていく事だけが改善ではありません。
「ダメだったからキーワードを一時停止にするのはもったいない」といったようなことはこのコラムでも何度か書いていることなのですが、見切りをつけることも非常に大切なことです。
もちろんリスティング広告でコンバージョンが取れる/取れないというのは、キーワードにだけ依存しているわけではないので、「コンバージョンが取れない=キーワードが悪い」と決めつけるのは良くありません。
逆を言えば、キーワードが原因でコンバージョンが取れないという状況は、リスティング広告初心者の方がやってしまいがちなケアレスミスみたいなもので、リスティング広告の仕組みをきちんと理解している人であれば、なかなかそんなミスはほとんどしません。
ターゲットありきでキーワードを選定していると思いますので、コンバージョンが取れない原因はキーワード以外の部分にあると考えるほうがしっくりきますよね。
そういう意味で、「ダメだったからキーワードを一時停止にするのはもったいない」というようなことを書いているのですが、それでもそれはあくまでも”キーワード以外の改善をしていく事が許される状況であるならば”です。
例えば、広告のリンク先ページの内容を変えてコンバージョンを取りにいこうと考えたとすると、まずどのような変更をするのか考え、それをページ内のデザインにし、コーディングして……、と時間がかかりますよね。
さらに外注していたとしたら時間がかかる+お金もかかります。
それが許される状況ならば、簡単にキーワードを停止するのではなく、そのキーワードでコンバージョンが取れるようにランディングページの改善をしていったほうが良いですが、そういった状況でないならば、キーワードを停止し、アカウント全体の費用対効果を改善していく、という事も大切なことです。
広告主によって予算がある程度確保されている場合もあれば、かなり限られた予算内でやらなければいけない場合もあります。
また予算がある程度確保されていたとしても、次の月はその半分になってしまったなど状況が安定しないケースもあります。
予算が確保されている状態で、アカウント全体で数十件とコンバージョンがいたとしたら、その中のコンバージョンが取れていないキーワードについて改善していこうか、なんてことも出来ますが、アカウント全体でコンバージョンが1件も取れていないようであれば、まずは、何よりも先にコンバージョンを取れるような状況にしていかなければいけません。
このように同じ商材を同じようにリスティング広告で売っていこうと思っていたとしても、その状況によってやる事の優先順位が大きく変わりますので、リスティング広告の担当者は、型通りの改善策を講じるのではなく、その状況に合わせた施策を考えていく事が求められると思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智