管理画面には表れない数字にも着目する
リスティング広告は広告の配信結果から、その効果までを数値として計測する事ができる広告媒体ですよね。
ある程度の期間、リスティング広告を運用していれば、どのキーワードにどれくらいの費用をかければ、どの程度効果があるのか?という事がなんとなくわかってきます。
また「これ以上このキーワードに広告費をかけてもあまり良い結果は期待できないな」というものも見えてきますよね。
通常、リスティング広告を運用する際には「より少ない広告費で、より多くのコンバージョンを獲得できるか」というものが使命となるため、コンバージョンが多く獲れるキーワードや、少ない獲得コストでコンバージョンが獲れるキーワードに広告予算を集中していき、全体の最適化をしていきます。
ですが、これは必ずしもこの限りではありませんよね。
より少ない広告費で、より多くのコンバージョンを獲得する事は大切だと思いますが、これはコンバージョンが「売り上げに貢献している」という事が前提で、コンバージョンが必ずしも売り上げに貢献しているかどうかというのは確認しなければいけません。
コンバージョンをお問い合わせ完了に設定している場合などは、お客様からのお問い合わせが全て成約になっているとは限りませんし、お客様からのお問い合わせだったらまだしも、コンバージョンが付いていたのは営業メールだった、なんて事もあります。
管理画面だけを見てコンバージョンを増やそうと施策をし、コンバージョン数は増えているのに、売り上げが一向に上がらないというのでは意味がありませんし、その施策が完全に無駄になっているとも言えますよね。
リスティング広告の運用を代理店に任せている場合や、社内で運用をしていてもリスティング広告の担当者と、実際にお客様と接する営業担当とのコミュニケーションがうまく図れていなかった場合、このような事になってしまう恐れもありますので、そういった点はお互いが意識して解決していかなければいけない問題だと思います。
これは売り上げ云々という話に限らず、「どんなお客様に来てもらいたいか」という事にも同じことが言えますよね。
「たくさんお問い合わせくるんだけど面倒な案件が多い」とか、「もっとこういうお客様の仕事がしたい」というような事も、完全にコントロールする事は出来ないかもしれませんが、傾向を見ながら調整する事で、ある程度コントロールする事が出来ます。
これはBtoBでも、ECサイトなどを含めたBtoCでも同じです。
ECサイトでは、基本的にお客様と対面するという事はありませんので、「こんなお客様がいい」ということはあまり考えず、売れればそれでいいという考えになりがちですが、”よりリピートしやすいお客様”を増やしていったほうがいいですし、それはリスティング広告の管理画面だけではなかなかわからない事ですよね。
リスティング広告は基本的に新規のお客様を獲得するために使用するので、リスティング広告の運用だけをやっている担当者は”リピート”という事をあまり考えないかもしれませんが、リピーターが増やす事は事業を伸ばしていくためには必要な事です。
代理店にしても、お客様と接する事のないリスティング広告の運用担当者にしても、そういった細かい事情は伝えなければわかってもらえませんので、コミュニケーションの取り方も合わせて考えていかなければいけないのだと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智