大切なのは”気持ち”
精神論的な話になってしまいますけど、10年以上リスティング広告を含めたネット広告に携わった経験から広告の成功の秘訣を一つだけ挙げるとするならば、それは「想い」です。
販売する物や扱っている商材に対してどれだけの想いを持っているか。
「この商品がお客様に届いたらどれだけ喜んでもらえるのか」と、そういう想いが一番大切なんじゃないかと思います。
自分が扱っている商品、商材のことを深く愛すると、お客様に届けたいという気持ちが強くなります。
すると、リスティング広告やその他のネット広告、さらには自社のウェブサイトのことやSNSでの情報発信などにも本気になります。
担当者が本気で携わっていると数値の確認もこまめになりますし、もし上手くいっていなかったらどこに問題点があるのか何を改善すればいいのかと、手を入れるスピードも早くなりますし、わからないことがあれば自分で調べたり、ほかに何か良い方法がないかとアンテナを張ったりしていきますよね。
なにより「必死」になります。
その必死さというものが成功に強く繋がるのではないかと思いますし、扱っている商品や商材への想いや本気の度合いが、ネットでの施策の成否に関わってくるんじゃないかなと、常日頃思っています。
私はネット広告代理店の人間として様々な企業やプロジェクトのウェブ担当者の方々に関わってきました。
中には社長自ら率先して…なんてところもありますが、立場や役職が違っても、本気で向き合っていて本気で考えているところは、きちんと成果が出ていますし、「ネットやればいいんだろう」くらいに思っているところは残念ながら失敗しているところが多いように感じています。
「自分のビジネスなんだから想いが足りていないなんてことはない、だけれどもネットの事はサッパリわからないから代理店に任せっきりにしているんだ」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
餅は餅屋ですから代理店に任せること自体、悪いことだとは思いませんが、そういう方は、もう少し代理店との関わり方を見直したほうがいいかもしれません。
ただ毎月レポートを送ってもらっているだけだというのであれば、せめて顔を合わせて話をするなり、疑問に思ったことを「難しい話だから」と聞かずに、そのままにしておくのではなく、きちんと質問をしたりと。
実際にお客様に接しているのは広告主の方々なので、最近のお客様の傾向はどうか、この前こんなお客様が来た、こういうお客様は困るんだよね、と、そういう話が出来ると代理店側も、それを元に新たな発想から改善の提案ができるようになったりします。
そういう意味では我々代理店側も、広告主であるお客様に対して”通じない言語”で話すのではなく、きちんと意味の伝わる言葉で話をして意思疎通をし、そこから有効な施策のヒントを聞き出せるようにしていかないといけないのだと思います。
ここまでの話を読んでみて、違和感を覚えた方もいらっしゃるかもしれません。
「大手広告代理店はフィーも高くて成果も出やすいけど必死じゃないよね」と。
例えば大手広告代理店に依頼をすると、確かにフィーは高くてそれなりに成果も上がりますよね、なぜかといえば、あたりまえの話ですが大手代理店の方が必死に広告の運用をやっているからこそなんです。
私も上記のような大手広告代理店の方と一緒にお仕事をさせてもらいましたが、それはもう他人事とは思えないくらい寝る間も惜しんで……といった感じに必死に施策を考えて、それらを実行をしています。
商品に対する思い入れなんかは、それこそ広告主の企業の方たち以上のものを持っていて、私も最初は、「ああ、これがよその会社の広告を代理するということなんだな」とテクニック面なんかではなく、気持ちの部分でとても勉強になり、それが今の自分の仕事に活かされているとも思っています。
もちろん「儲けたい」とか「稼ぎたい」などという事以前に、「自社の商品やサービスに対する想い」、結局はこれが強いかでリスティング広告の成功の確率も変わるのではないかと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智