予測値にこだわり過ぎないことも大切
リスティング広告を運用する場合、各指標の予測値、予想値を立ててから運用した方がいいというのはこのブログでも以前から書かせていただいています。
その意図としては思うように売り上げが上がらなかったり、目標としているコンバージョン数に達しなかったなど、リスティング広告の運用がうまくいかなかった時に、どこが問題点でどこを改善すればうまくいくようになるのかをわかりやすくするためでありますが、このはじめに立てる予測値はあくまでも予測値であって、リスティング広告の運用開始後にその予測値を元に作った計画表の数値を変更したりする事があったとしても全然構わないと思います。
例えば、目標の売り上げ金額だとかコンバージョン数だとか、そういった最終的な目標を変えてハードルを下げるという話ではなく、クリック単価(CPC)とかクリック数だとか、そういう掲載結果の予測値というものは、これら目標を達成するためであれば、むしろ積極的に、柔軟に変えていったほうが良いという事です。
何事もそうなのかもしれませんが、リスティング広告は数値が出てくるため、各指標を意識しすぎてしまうと施策の幅を狭めてしまったり、思うような改善が進まないケースが出たり、的外れな施策になる事もあります。
予測値なんて、所詮予測値……、くらいの気持ちで、毎回定期的にその予測値を記した計画表と出てきた広告の掲載結果を照らし合わせていくことが大切だと思います。
まずは目標値としている売り上げを計画表と照らし合わせ、何%の達成率なのか、不足が出ている場合にはその不足分はどこが原因なのか、計画表と照らし合わせてどこが不足しているのかを見た中で、その実際の数値と計画表の差を埋めるという施策の考えかたではなく、「あくまでも売り上げの不足分を埋めるにはどうするのか」という風に考えを進めていくほうがうまくいくのだと思います。
「それじゃあ計画表なんて作っても意味ないんじゃないか」とお思いになるかもしれませんが、計画表を全て無視しろという話ではありません。
あたり前の話ですが、この計画表を作るときには必ず黒字になるように作成します。赤字目指しても意味ないですよね。
仮に初月、2ヶ月目と赤字であったとしても、ある一定のところから黒字になるように計画表を作っていくので、その計画表どおりに指標の改善が進むのであれば全く問題ありませんし、その予測値は目指すべき数値にしなくてはいけませんが、その予測値に固執しすぎるとよくないよ、という事です。
先程少し書いてありますが、仮にコンバージョン数であったとしても、コンバージョン数が最終的な目標、目的でない場合(売り上げが目標の場合など)は客単価が予想していたよりも高かった場合などの状況であれば、目標のコンバージョン数を達成していなくても、そこから無理にコンバージョン数を上げる施策を考えるのではなく「結果オーライだ」くらいの気持ちを持っても良いともいますよ。
もちろんそこからさらに売り上げを伸ばしていこうと考えたときにはコンバージョン数を伸ばしていくという事も改善施策の一つとして入りますが、コンバージョン数に固執することもないと思います。
リスティング広告は予想を立てて運用を開始しても、良い意味でも悪い意味でも、その予想通りにいかない事がほとんどです。
予想を立てることは改善しやすくするための作業の一つであって、予想を立てた各指標は必ず守らなければならないものでもありません。
あくまでも「リスティング広告で達成する目標」、「リスティング広告を導入する目的」を忘れずに改善をしていく事が非常に重要です。
株式会社アイエムシー 大塚雅智