効果測定は見るべき数字に焦点を絞る
リスティング広告を運用する上で、前回やった施策がどのような結果をもたらしたのかという「効果測定」は非常に大切なタスクの一つだと思います。
その為にリスティング広告の管理画面はもちろんですが、その効果検証のためにアクセス解析の数値を確認したり、場合によっては実際の受注状況や商談の進捗、売り上げ単価の確認など、ビジネス全体を俯瞰してみて数値を確認する事をしていると思います。
以前からこのブログでも書いているとおり、リスティング広告に限らずウェブマーケティング全般に言えるのは、”数値を残してデータとして活用する事が出来る”という特長がありますよね。
そのため、効果改善をしていくための一歩として、上記のように様々なデータを確認し、そこから問題点やその問題となっている原因を探り、次の一手となる改善施策を考えていくわけですが、いろいろなデータを確認する事が出来るというのはメリットは使い方によってはデメリットになるケースもあります。
リスティング広告の管理画面では、基本的なところで言うと、「広告の表示回数」、「クリック率」、「クリック数」、「平均クリック単価」、「コンバージョン率」、「コンバージョン数」、「1件あたりの獲得コスト」などを見る事が出来ます。
さらにそれらの数値は「キャンペーン」、「広告グループ」、「キーワード」、「広告文」と、設定ごとに分割してみる事が出来ますし、さらに「デバイス」、「時間や曜日」、「地域」……などでも分割して見ていく事が出来ます。
これだけでもかなりのボリュームだと思いますが、これに合わせてアクセス解析の数値を入れるとそれこそ膨大なデータの量になってきます。
もちろんこれらすべてをいちいち確認している方もいないと思いますので、この中から自分が確認したいデータを抜き取り、効果測定をしているのだと思いますが、様々なデータを確認する事が出来るからと、いろいろと他のデータを見たりして、仮説を広げていく方もいらっしゃいます。
その事自体悪い事ではないのですが、あまりデータを見過ぎると施策がブレてしまう事が多々あり、それは結果として改善のスピードを遅らせる原因にもなります。
シンプルに効果測定をおこない、良かったのか悪かったのか、なぜこうなったのか、こうだからじゃないかと仮説を立て、その仮説に合わせて「だったらこうじゃないか」と施策をしていくのが普通のやり方ですが、いろいろとデータを見過ぎて「こうじゃないか、ああじゃないか、じゃあこれもしよう、あれもしよう」といろいろと手を出し過ぎて、自分だけでは手に負えなくなってしまう事もあります。
いろいろとデータを見る、たくさんの仮説を立てるという事が悪いわけではありませんが、リスティング広告の目的である「コンバージョン数の最大化」とか「獲得コストの最適化」に焦点を絞った効果測定や改善をしていくという事は忘れないようにしたいところです。
株式会社アイエムシー 大塚雅智