管理画面の数字だけに捉われないように
リスティング広告は全てが数値で出てくるので問題点の発見や、改善施策、その後の効果測定と、きちんとした知識があれば成果を上げる事が出来る広告です。
リスティング広告を運用する事は、そういった出てくる数値を元に、さらに良い数値になるように改善をしていくことだと思いますが、数値だけを気にしておけばよいというものでもありません。
数値ばかり気にしていたために、思うような成果を得る事が出来なかったというケースもあります。
例えば、よくあるのがコンバージョン=売上ではないという場合。
ウェブサイト内にあるメールフォームからお問い合わせをもらい、その後商談、成約というビジネスの場合、リスティング広告でのコンバージョン計測はお問い合わせ完了ページになると思います。
もちろん、お問い合わせ数が増えなければ、その後の商談や成約には結びつきませんが、お問い合わせ数が仮に1,000件、2,000件あったところで、成約にならなければ売上は上がりません。
広告費を使い、リスティング広告でとにかくコンバージョン数を増やしたところで、売上に結びついていないのであれば、それは成功だとは言えませんよね。
以前はコンバージョン数が1日に1件だったものを、アカウントを改善し、1日に5件のコンバージョンを獲得出来るようになった、と聞くと、運用がうまくいっているように聞こえますが、1日1件のコンバージョン数だった頃は、その1件が確実に成約にまで至っていたが、今は1日5件のコンバージョン数だけれども、全て成約になっていないという状況だったら、その改善は失敗だったと言わざるを得ません。
そういった事にならないためにも、リスティング広告を運用する担当者はアカウント内の数字だけではなく、実際の売上だったり成約件数や成約の状況なども把握する必要があります。
同じような例として、仮に1件あたりの獲得コストが著しく悪いキーワードがあった場合、アカウント全体の1件あたりの獲得コストを下げるという意味で、そのキーワードへの広告出稿を一時停止にしようと検討したとします。
ただ、そのキーワードからコンバージョンになった顧客は、その後何度もリピートしてくれる優良顧客になる確率が高かったとしたら、ある程度、獲得コストをかけても出稿し続けたほうが良いという判断にもなります。
こういった事もリスティング広告の管理画面内の数値だけではわからない部分ですよね。
リスティング広告を導入する目的というのは、細かい事を挙げれば様々あると思いますが、その根底は「売上を上げる」という事だと思います。
コンバージョン数が多いからといって、必ずしも売上が上がるという訳ではありませんし、管理画面内の数値上のパフォーマンスが悪いキーワードが、必ずしも売上の足を引っ張っているという訳でもありません。
リスティング広告の数値だけにとらわれず、「売上を上げるためにはどうしたらよいか」という視点で、最適化をしていく事がとても大切な事だと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智