コンバージョン率（CVR）向上のための基礎と実践ガイド
公開日: 2024年11月11日 ／更新日: 2024年11月28日
コンバージョン率（CVR〈Conversion Rate〉）は、リスティング広告の効果を測るうえで非常に重要な指標です。広告に対してユーザーが実際に行動を起こす割合を示し、売上や成果に直結します。
この記事では、これからリスティング広告を始める経営者や担当者の方に向け、コンバージョン率を上げるための基本から実践までを分かりやすく解説します。
1. コンバージョン率（CVR）とは？なぜ重要なのか
コンバージョン率は、広告を見たユーザーがサイトで目標行動（購入や会員登録、問い合わせなど）を達成した割合です。具体的には、次のように計算します。
CVRの計算式：コンバージョン率（％）＝ コンバージョン数 ÷ クリック数 × 100
例えば、広告が100回クリックされ、そのうち5人が購入した場合はコンバージョン率は5%となります。
コンバージョン率が低いとどうなるか？
コンバージョン率が低いと、広告費を増やしても売上や利益に結びつかないため、費用対効果が悪くなります。
広告の成果を最大化するには、クリックを増やすだけでなく、コンバージョン率を上げることが不可欠です。これにより、少ない予算でより多くの成果を上げられます。
2. コンバージョン率を上げるための3つの要素
コンバージョン率を上げるには、次の3つがポイントです。
どれか一つを施策するのではなく、全体的にバランスよく改善することが大事になります。
1. 広告文の魅力を高める
広告文はユーザー目線になって考えるのが大事です。
あなたの商品やサービスを求めている人は、なぜその商品を求めているのか、どんな悩みを抱えているのか、どんな欲求があるのかを考えてみましょう。
ユーザーの心理的欲求にピンポイントで響けば、広告クリック後に離脱されにくくなります。
2. ランディングページ（LP）の内容を強化
クリックされた先のランディングページも、コンバージョン率を左右します。
広告の内容とランディングページの内容が一致していないと、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。
3. お問い合わせフォーム・ショッピングカートの使いやすさを意識
フォームやカートの使いやすさもコンバージョン率に影響を与えます。
例えば、お問い合わせフォームのデザインが無機質であったり、ユーザーに入力してもらう項目の数が多いことも離脱の原因になります。
ショッピングカートでは、スムーズな購入への導線を考えることでカゴ落ち（カート離脱）の対策になります。
決済方法の選択肢を増やしたり、送料の割引、配達希望日などを柔軟に対応することで離脱を防ぐことができます。
3. コンバージョン率を改善するためのターゲティング戦略
広告を見てもらうターゲットを明確にすることも、コンバージョン率向上に繋がります。
適切なターゲットにアプローチすれば、クリック後のコンバージョンも増えやすくなります。
1. ターゲットユーザーを具体的に設定
ターゲットとするユーザー層を設定することは大事です。
解像度を高めるために2W1Hで考えてみることをおすすめしています。
WHO（誰に）WHAT（何を）HOW（どのように）を当てはめて考えると以下になります。
WHO：大学受験を控えた高校生とその保護者に
WHAT：合格率向上に向けた個別指導プランを
HOW：体験授業と保護者向けの説明会を実施し、塾の特長を伝えます。
2. キーワードの最適化
キーワードがターゲット層とマッチしていないと、クリックされてもコンバージョンに結びつかないことがあります。
商品やサービスの特徴に合ったキーワードを選定しますが、見込み客ではないキーワードは除外していきます。
3. 広告の配信スケジュールの最適化
ターゲット層が活発に活動している時間帯に広告を配信すると、コンバージョン率が上がりやすくなります。
特にECサイトでは、ユーザーが購入しやすい時間帯や曜日に配信を集中させると効果的です。
4. 実践ステップ：コンバージョン率向上のための改善方法
ここからは、実際にコンバージョン率を上げるための具体的なステップを紹介します。
ステップ1：広告文とランディングページの内容を見直す
広告文とランディングページの内容が一致しているかを確認します。
広告で説明した特長がランディングページにも明確に伝わっているか確認しましょう。
例えば、広告で「体験授業実施」と記載しているなら、ランディングページのメインビジュアルにも同じ情報を掲載し、視覚的にわかりやすくします。
ステップ2：A/Bテストで最適なクリエイティブを見つける
複数の広告文やランディングページを作成し、どれが最も効果的かをテストします。
A/Bテストを実施し、クリック数やコンバージョン率を比較することで最も効果の高い広告パターンで費用対効果を高めることができます。
ステップ3：フォームの項目を見直す
コンバージョンに必要なフォーム項目が多いと、ユーザーが途中で離脱してしまうことがあります。
例えば、「名前」「電話番号」「メールアドレス」だけでなく、「住所」や「生年月日」「FAX」などが不要であれば削減しましょう。
洗練されたフォームはコンバージョン率の向上につながります。
ステップ4：行動を促すボタン（CTA）を改善する
「今すぐ申し込む」「限定キャンペーン中」など、ユーザーがクリックしやすくなるような行動を促すボタンを工夫してみます。
5. コンバージョン率向上を継続するためのデータ分析と検証
コンバージョン率の改善は一度きりではありません。
定期的にデータを確認し、改善を繰り返すことでより高い成果を得られます。
1. コンバージョン率の定期チェック
月ごとや週ごとにコンバージョン率を確認してみましょう。
もし特定の期間や時間帯にコンバージョン率が変化している場合、その原因を分析し、改善の手がかりにします。
2. ページの分析ツールを活用
ページの滞在時間やクリックされた箇所を分析できるツール（例：Google Analyticsなど）を活用すると、どの要素がコンバージョンに寄与しているのかを把握しやすくなります。
例えば、CTAがクリックされていない場合はボタンの位置やデザインを変更するなどの改善が必要です。
3. A/Bテストの継続実施
A/Bテストを定期的に行い、効果的なパターンを見つけることが大切です。
広告文やランディングページは、日々変化するユーザーのトレンドや悩みに合わせて見直し、最適化していきましょう。
4. 他の広告キャンペーンと比較する
複数の広告キャンペーンを比較し、それぞれのコンバージョン率を見比べることで、どのキャンペーンが最も費用対効果が高いかを把握します。
効果の低いキャンペーンは終了させて、効果の高いものに予算を集中させるなどの施策が効果的です。
まとめ
コンバージョン率（CVR）は、広告からの成果を上げるために欠かせない指標です。
クリックされるだけでなく、ユーザーが最終的に購入や問い合わせといった行動を起こしてこそ、リスティング広告は成功になります。
コンバージョン率を上げるために、ターゲットを明確にし広告文やランディングページを最適化、定期的に改善を繰り返して長期的な成果を目指しましょう。
注意点としては、一度にすべてを改善すると『どれの施策が効果があったのか』『何が悪かったのか』が不透明になってしまいます。
改善内容はサービスの成長を支えるうえでは資産になってくるので、しっかりレポートをまとめることをおすすめします。
